新築物件の引き渡しを控えたお客様は、新生活への期待に胸を膨らませる一方で、「何をいつまでに揃えればよいのか」「買い忘れはないか」といった不安も抱えています。私たち不動産実務者が、適切なタイミングで具体的な「家具・家電リスト」や「購入スケジュール」を提示することは、顧客満足度を大きく向上させる付加価値サービスとなります。
この記事では、お客様への提案資料やガイドブック作成にそのまま活用できる、新築入居前に揃えたい家具・家電の網羅的なリストと、プロとしてアドバイスすべき選定のポイントを整理しました。優先順位や失敗しやすい注意点も網羅していますので、貴社の顧客サポートツールとしてぜひお役立てください。
【結論】新築入居に必要な家具・家電の優先順位チェックリスト

新生活のスタートに必要なアイテムは多岐にわたりますが、すべてを一度に揃える必要はありません。お客様の予算管理と精神的な負担を軽減するためにも、優先順位をつけたリストを提示することが重要です。ここでは、入居のタイミングに合わせて3つの段階に分類したチェックリストをご紹介します。この分類をベースに、お客様のライフスタイルに合わせて提案内容を調整してみてください。
入居当日から不可欠な「最優先(必須)アイテム」
まずは、入居当日から「ないと生活に支障をきたす」アイテム群です。これらは引き渡し日までに必ず手配を完了させ、入居初日から使用できる状態にしておく必要があります。特にプライバシー保護やライフラインに関わるものは、最優先で検討するようお客様にお伝えしましょう。
入居後1週間以内に揃えたい「準必須アイテム」
次に、入居後すぐに必要となるものの、数日間であれば代用品で済ませたり、我慢できたりするアイテム群です。これらは入居後1週間以内を目安に揃えることで、新生活の快適性を高めることができます。引っ越しの荷解きと並行して設置が進められるよう、配送スケジュールを組むのが理想的です。
生活が落ち着いてから検討可能な「推奨アイテム」
最後は、生活のリズムが整ってからじっくり検討しても遅くないアイテム群です。新居の実際の広さや動線、日当たりなどを体感してから購入することで、「サイズが合わなかった」「イメージと違った」という失敗を防げます。予算調整のバッファとしても機能する項目です。
【場所別】新築入居前に揃えたい家具・家電の詳細リスト

ここでは、新築住宅の各エリアごとに必要な家具・家電を詳細にリストアップしました。お客様へのヒアリングや、各部屋の用途に合わせた提案にご活用ください。特に新築ならではの選定ポイントや、見落としがちなアイテムについても触れています。
リビング・ダイニング(LDK)
家の中心となるリビング・ダイニングは、家族が最も長い時間を過ごす場所であり、来客の目にも触れる空間です。インテリアのテイストを決定づける大型家具が中心となるため、サイズ感と配色のバランスが重要になります。
カーテン・ブラインド・ロールスクリーン
入居初日からプライバシーを守るために必須です。既製品ではサイズが合わないことが多いため、オーダーの場合は製作期間(約2週間〜1ヶ月)を考慮する必要があります。カーテンレールが標準装備かどうかの確認も重要です。
メイン照明(シーリングライト・ダウンライト)
各部屋に必要な照明器具の数と種類を確認します。最近は調光・調色機能付きのLEDシーリングライトや、スマートフォンで操作できるスマート照明も人気です。ダウンライトが主照明の場合は、別途スタンドライトなどで照度を補う提案も有効でしょう。
エアコン(リビング用大型機種)
LDKの広さに対応した能力の機種を選定します。最近の高気密高断熱住宅では、畳数目安よりも小さな容量で十分な場合もありますが、LDKの形状や吹き抜けの有無によって効きが変わるため、専門的な視点でのアドバイスが求められます。
ダイニングテーブル・チェアセット
動線を確保できるサイズ選びが肝心です。図面上では置けても、椅子を引くスペースや後ろを通る通路幅(60cm以上推奨)が不足することがあります。実際の生活動線をイメージして提案しましょう。
ソファ・リビングテーブル
部屋の印象を大きく左右するアイテムです。搬入経路の確保が最大の課題となることが多いため、購入前に玄関や廊下、階段の幅を確認するよう強く促す必要があります。
テレビ・テレビボード
視聴距離(画面の高さの約3倍推奨)に適したサイズを選びます。壁掛けを希望される場合は、壁の補強下地が入っているかどうかの確認が必須となります。
Wi-Fiルーター・インターネット関連機器
現代の生活には欠かせないインフラです。入居日からすぐに使えるよう、回線工事の予約は早めに行う必要があります。ルーターの設置場所は、家全体に電波が届きやすい中心部や、情報分電盤内などが適しています。
キッチン・パントリー
機能性と収納力が求められるキッチンエリア。既存の家電を使い続けるか、新居に合わせて新調するかで予算が大きく変わります。特に冷蔵庫やカップボードはサイズ制約が厳しいため、事前の採寸が不可欠です。
冷蔵庫(新居サイズに合わせた容量)
設置スペースの幅・奥行きだけでなく、扉を開けた時の干渉や、放熱スペースも考慮します。特に観音開き(フレンチドア)か片開きかは、壁の位置によって使い勝手が大きく変わるため注意が必要です。搬入経路の確認も忘れずに行いましょう。
食器棚・カップボード
システムキッチンと同じ面材で揃えると統一感が出ます。家電収納タイプやゴミ箱収納スペース付きのものを選ぶと、キッチン周りがすっきり片付きます。コンセントの位置と数も合わせて確認が必要です。
電子レンジ・オーブンレンジ
カップボードの奥行きや高さに合わせて選びます。特にオーブンレンジは上部や側面に放熱スペースが必要な機種が多いため、設置場所の寸法に余裕があるか確認しましょう。
炊飯器・電気ケトル
蒸気が出る家電は、カップボードの蒸気排出ユニット付きの場所に置くか、引き出し式の台に置くなどの配慮が必要です。デザイン性の高いモデルを選ぶと、インテリアとしても映えます。
ガスコンロ・IHクッキングヒーター(据え置きの場合)
ビルトインコンロが標準でない場合や、造作キッチンの場合に必要となります。ガス種(都市ガス・プロパンガス)の違いや、IHの場合は200V電源工事の有無を必ず確認しましょう。
分別対応ゴミ箱・ダストボックス
地域の分別ルールに合わせた数と容量が必要です。カップボード下やパントリー内など、あらかじめ置き場所を決めておかないと、通路を塞いでしまう原因になります。
寝室・子供部屋・書斎
プライベートな時間を過ごす個室は、居住者の年齢やライフスタイルに合わせた家具選びが必要です。特に子供部屋は成長に合わせて変化できるよう、柔軟性を持たせた提案が喜ばれます。
ベッドフレーム・マットレス
搬入と組み立てのしやすさを考慮します。特にクイーンサイズ以上のマットレスは、階段を通らないケースが多々あるため、分割タイプや圧縮ロール梱包の製品も視野に入れると良いでしょう。
寝具一式(布団・枕・シーツ)
ベッドサイズに合わせたリネン類を準備します。洗い替え用も含めて2セット用意しておくと安心です。季節に合わせた素材選びも快適な睡眠のために重要です。
個室用照明器具
寝室はリラックスできる暖色系の照明、子供部屋や書斎は学習・作業に適した昼白色の照明など、用途に合わせて光の色や明るさを選び分けることをおすすめします。
個室用エアコン
寝室や子供部屋にもエアコンが必要か検討します。入居時に全室設置するか、必要になってから追加するかは予算次第ですが、先行配管が必要な隠蔽配管の場合は建築時に計画が必要です。
学習机・ワークデスク
コンセントやLANポートの位置に合わせて配置を計画します。テレワーク需要の高まりにより、書斎スペースの充実は重要度を増しています。デスクの奥行きや幅は、PCモニターのサイズに合わせて選びましょう。
収納家具・チェスト・ハンガーラック
ウォークインクローゼット(WIC)内の収納ケースや、部屋に置くチェストなどです。WICの枕棚の奥行きやハンガーパイプの高さを事前に計測し、無駄なく収まるサイズを選定します。
洗面所・脱衣所・トイレ・玄関
毎日使う水回りと、家の顔である玄関。清潔感を保ちやすく、使い勝手の良いアイテムを選ぶことがポイントです。スペースが限られている場所が多いため、サイズ選びは慎重に行う必要があります。
洗濯機・衣類乾燥機
洗濯機置き場(防水パン)のサイズと、給水栓の高さを確認します。特にドラム式洗濯機は大型で重量もあるため、搬入経路と設置スペースの奥行き、扉の開閉方向のチェックが必須です。
ランドリーラック・収納用品
洗面所の収納不足を補うアイテムです。洗濯機上のデッドスペースを有効活用できるラックや、隙間収納家具などが役立ちます。設置後の揺れ防止対策も重要です。
トイレ用品(マット・カバー・ブラシ)
衛生面とインテリア性を兼ね備えたものを選びます。最近は掃除のしやすさを優先してマットを敷かない家庭も増えていますが、スリッパやタオル掛けなどは必要に応じて準備します。
玄関マット・スリッパ・傘立て
玄関の雰囲気に合わせたアイテムを選びます。傘立ては濡れた傘を置く場所として、玄関外に置くか中に置くかも検討ポイントです。スリッパは来客用も忘れずに用意しましょう。
新築ならではの準備・メンテナンス用品
家具・家電以外にも、新築の状態を長くきれいに保つための準備や、生活を始めるための細かな用品が必要です。これらは「入居前」に準備・実施することで効果を発揮するものが多くあります。
床・フローリング保護マット・フェルト
家具を搬入する前に、椅子の脚やテーブルの脚にフェルトを貼ったり、冷蔵庫の下に保護マットを敷いたりすることで、新築のフローリングを傷から守ります。入居初日に行うべき重要な作業です。
害虫侵入防止グッズ(エアコンホース用キャップ等)
エアコンのドレンホースからゴキブリなどの害虫が侵入するのを防ぐキャップは、設置時に付けておきたいアイテムです。数百円で買える安心材料として、お客様に紹介すると喜ばれます。
換気口フィルター・レンジフードフィルター
24時間換気の吸気口やキッチンのレンジフード、トイレの換気扇などにフィルターを貼ることで、内部の汚れを防ぎ、掃除の手間を大幅に減らせます。入居時のきれいな状態のうちに設置するのがベストです。
物干し竿・ハンガー・洗濯用品
浴室乾燥機用のランドリーパイプは標準装備が多いですが、ベランダ等の物干し竿は別途購入が必要なケースが一般的です。洗濯物の量や干す場所に合わせて、適切な長さと種類のものを準備します。
新築入居に向けた家具・家電の購入スケジュールと手配手順

新築への入居は、各種手続きや引越し作業で多忙を極めます。家具・家電の手配が遅れると、「入居したのに照明がない」「カーテンがなくて落ち着かない」といった事態になりかねません。ここでは、理想的な購入スケジュールと手配の手順を解説します。お客様への案内用タイムラインとしてご活用ください。
引き渡し3ヶ月前~1ヶ月前:採寸と商品選定・予約
この時期から家具・家電の検討を開始します。図面をもとに必要なサイズをリストアップし、家電量販店や家具店で実物を確認しましょう。特にオーダーカーテンや受注生産の家具は納期がかかるため、早めの予約が必要です。決算期やセール時期に合わせて購入計画を立てると、コストダウンにもつながります。また、内覧会などの機会を利用して、実際の採寸を行うのもこの時期です。
引き渡し2週間前:配送日・工事日の確定
引き渡し日が確定したら、すぐに購入店へ連絡し、配送日と設置工事日を確定させます。引越し当日は搬入作業で混雑するため、大型家具や家電の搬入は引越し翌日以降にするか、時間帯をずらすなどの調整が賢明です。また、エアコン工事やアンテナ工事など、立ち会いが必要な作業の日程調整もこの段階で行います。住所変更の手続きも忘れずに進めるようお伝えしましょう。
引き渡し当日~入居前日:搬入・設置・動作確認
いよいよ搬入です。床や壁を傷つけないよう、搬入業者には養生を徹底してもらいます。配置場所を指示できるよう、図面に家具の配置を書き込んだものを用意しておくとスムーズです。家電製品は設置後に必ず試運転を行い、初期不良がないか確認します。特に冷蔵庫は設置後すぐに電源を入れると故障の原因になる場合があるため、取扱説明書の指示に従いましょう。
失敗を防ぐための家具・家電選びの重要チェックポイント

「せっかく買ったのに部屋に入らない」「コンセントが足りない」といったトラブルは、新築入居時によくある失敗です。これらは事前のチェックで防ぐことができます。お客様が後悔しないよう、プロの視点から注意喚起すべき重要なチェックポイントをまとめました。
搬入経路の有効幅員と高さの確認(階段・廊下・玄関)
家具選びで最も多い失敗が「搬入不可」です。商品のサイズだけでなく、梱包サイズを確認することが重要です。特に2階リビングの場合、階段の形状(L字やU字)や天井高によっては、冷蔵庫や大型ソファが上がらないことがあります。クレーン吊り上げが必要になる可能性も含め、事前に搬入経路の有効幅員と高さを計測し、販売店に相談するようアドバイスしましょう。
コンセント・テレビ端子・LANポートの位置と数
家具の配置はコンセントの位置に大きく左右されます。「テレビボードを置いたらコンセントが隠れてしまった」「ベッドサイドにスマホ充電用の電源がない」といったことがないよう、図面上で家具配置とコンセント位置を照らし合わせることが大切です。必要に応じて、電源タップを活用する計画も立てておきましょう。LANポートの位置も、ルーターの設置場所に関わるため重要です。
カーテンレール・エアコン用穴(スリーブ)の有無
新築の場合、カーテンレールや網戸、エアコン用スリーブ(穴)が標準仕様に含まれていないことがあります。これらが無い場合、入居前に別途工事が必要です。特にエアコンの穴あけは、筋交いや構造体を傷つけるリスクがあるため、図面を確認しながら慎重に行う必要があります。これらがオプション扱いになっていないか、仕様書をよく確認するよう促しましょう。
壁下地の有無(壁掛けテレビ・家具固定用)
壁掛けテレビや重量のある飾り棚、家具の転倒防止器具を固定するためには、石膏ボードの裏に「下地(補強用の木材)」が必要です。下地がない場所にビスを打っても強度が保てず、落下の危険があります。建築中であれば下地の追加が可能ですが、完成後は下地センサーで探すか、補強工事が必要になります。家具固定の計画は早めに相談することがカギとなります。
まとめ

新築入居前の家具・家電選びは、新しい生活を具体的にイメージする楽しい時間であると同時に、多くの決断を迫られる大変な作業でもあります。私たち不動産実務者の役割は、お客様が情報の波に溺れることなく、優先順位を持ってスムーズに準備を進められるようサポートすることです。
今回ご紹介した「優先順位リスト」や「場所別リスト」、「購入スケジュール」を資料として提供することで、お客様の不安を解消し、信頼関係をより強固なものにできるでしょう。入居後の生活まで見据えたきめ細やかなアドバイスで、お客様の理想の家づくりを最後までサポートしていきましょう。
新築入居前に揃えたい家具・家電リストについてよくある質問

新築入居前の家具・家電準備に関して、お客様から頻繁に寄せられる質問とその回答例をまとめました。FAQ形式での資料作成や、接客時のトークスクリプトとしてご活用ください。
- 新築の家具・家電購入予算の目安はどれくらいですか?
- 一般的には物件価格の5%〜10%程度と言われていますが、今ある家具をどれだけ持ち込むかによって大きく変動します。まずは必須アイテムに予算を割り当て、残りでグレードを調整することをおすすめします。
- 今使っている家具・家電は買い替えるべきですか?
- 製造から10年近い家電は省エネ性能の観点から買い替えがお得な場合があります。家具に関しては、愛着や使い勝手、新居のインテリアとの相性を考慮して判断しましょう。無理に全て新品にする必要はありません。
- エアコンはオプション工事と量販店、どちらがお得ですか?
- 価格面では量販店が安い傾向にありますが、隠蔽配管や化粧カバーの仕上がり、入居時の設置完了を優先するならオプション工事(提携業者)にメリットがあります。重視するポイントに合わせて選びましょう。
- 家具のサイズ選びで失敗しないコツはありますか?
- 部屋の図面に家具の縮尺を合わせた紙を置いてみる「配置シミュレーション」が有効です。また、店舗で見る家具は実際より小さく見える傾向があるため、必ずメジャーで数値を測って確認してください。
- 入居前にやっておくと良いことはありますか?
- バルサンなどの防虫処理や、水回りの撥水コーティング、換気扇フィルターの設置などは、家具が入っていない入居前に行うのが最も効率的で効果的です。



